カウンター

大隅良典氏がノーベル賞生理学・医学賞を受賞2016年10月03日 19:37

今日から始まったノーベル賞に東京工業大学の大隅良典栄誉教授(71)が受賞しました。

おめでとうございます。


生物の細胞が不要なたんぱく質を分解して再利用する「オートファジー(自食作用)」の仕組みを解明し、神経疾患やがんなど様々な創薬研究につながるそうです。


生物の体は日々変わらないように見えますが、実は、細胞そのものや中身は絶えず入れ替わっています。

新鮮さを保ち続けるには、栄養を獲得するなど生命維持に入れ替えは欠かせません。

オートファジーは、たんぱく質を細胞が「リサイクル」する仕組みで、いらなくなったたんぱく質や、機能が落ちたミトコンドリアなどを分解して、入れ替えるための新しいたんぱく質を作るそうです。

これがうまく働かないとがんなどが増殖し、うまく生命をコントロールすることができないとのこと。



いくつかの記事を読みましたが、残念ながらぼんやり程度しか分かりません…(笑)


ただし、この研究成果により現在では年間4000本もの論文が発表されています。

当然、がんなどの治療に関するものも多数含まれていると思われます。

私のような凡人でも、オートファジーによるルーチンにエラーが起きると「がん」や「神経疾患」などになるのはなんとなく理解できます。


こういった研究が進んでいる訳ですから、今後の医学の大きな進歩を期待せずにはいられません。


また、日本にとっては3年連続受賞ということですが、来年もまた期待できる方が大勢いらっしゃるので明るいニュースはしばらく続きそうです。^^

がんの親玉、がん幹細胞の治療薬「ナパブカシン」が2017年度発売に2016年09月27日 19:45

2人に1人が、がんになると言われています。
がんは、今では胃がん、大腸がんなどは生存率も高く、治せる病気とも考えることもできます。
一方で、すい臓がん、担がんなどは生存率が低く、未だに不治の病とも考えられます。


大日本住友製薬が開発しているがん細胞の親玉であるがん幹細胞を攻撃する治療薬「ナパブカシン」を2017年度に発売するとのニュースが発表されました。

現在、日本と米国で最終的な臨床試験(治験)で効果の確認を進めており、まず胃がん向けに製造販売の承認を取得するそうです。


「がんの親玉」であるがん幹細胞を狙い撃ちにする大型新薬となります。


がん細胞はがん幹細胞から作られます。
しかし、がん幹細胞は、分裂がゆっくりで、がん細胞には効く抗がん剤が効きません。
そのため、一時がんが消滅したように見えますが、時間が経つとがん幹細胞がまたがん細胞を作り、腫瘍を形成し、再発や転移することになるそうです。

人の免疫機能を生かした小野薬品工業の「オプジーボ」は、がん幹細胞にも一部効果があるとみられますが、最近では年間3500万円とも言われる費用が問題となっています。

ナパブカシンは、既に治験で患者の生存率を高める結果が出ており、他の抗がん剤の併用で治療効果が高まることも確認されているとのこと。

最初に胃がん向けに承認を取得し、その後、肺がんや大腸がんへの治験も進め、幅広い薬効で承認の取得を狙うそうです。



ここ数か月で、制御性T細胞ウィルスを使ったがんの治療に関する研究が発表されています。

どれもがんを消滅、大幅な縮小と効果が高い一方、副作用が少ないのが特徴です。


がんだけが全ての病気ではありませんが、2人に1人と言われるほどの重い病気となっていることから、一日でも早く治療が開始されることを祈っています。


~過去ブログ~

東大がウイルスでがん破壊2016年08月29日 20:36

先日、近赤外光を当てることで化学反応を起こさせ制御性T細胞を大幅に減らすことで、がんを消失させることに成功した記事を掲載しました。


今日、日経新聞に、「ウイルスでがん破壊 正常細胞には影響なし 東大が開発」が掲載されました。


以下が日経新聞の概要になります。

東京大学の谷憲三朗特任教授らは、がん細胞の中で増えて死滅させる新たなウイルスを開発しました。

ウイルスは、大腸などにいる「コクサッキーウイルス」をがんの治療用に改良したもので、がんで活発に働く「チロシンキナーゼ」などの酵素を利用して増殖。一方、ウイルスは、RNA(リボ核酸)に正常な細胞だけにある2種類の「miRNA」という物質が結合すると、ウイルスが死ぬようにし、ウイルスが増える危険を避けるとのこと。

抗がん剤が効かなくなった乳がんの細胞をマウスに移植し、投与した約3週間後には、腫瘍の大きさが4分の1程度に抑えられたという。

腫瘍に直接ウイルスを注射する臨床研究を2年以内にも始めたいとのこと。



抗がん剤が効かない乳がんが4分の1に縮小したとのことで、かなり期待が高まります。

また、臨床研究を2年以内とのことで、スピード感もあります。

ただ、ウイルスの効果ががん細胞がなくなるまで発揮できるのか?
他の抗がん剤と併用できるのか?
縮小後、がんを切除することで回復できるのか?

など様々な課題などがありますが、新たな治療法が確立されることはすばらしいことです。

最近の研究発表では、体内の免疫力を生かしたがん治療が日の目を見るようになってきました。


ぜひ、多くの研究が実を結んでほしいものです。

一部の血液がんにもオプジーボが年内承認へ2016年08月25日 20:01

画期的な治療薬である一方、高額な治療費が問題となっているオプジーボ。
日経新聞によると年内新たに、血液がんであるホジキンリンパ腫にも投薬できるようになりそうです。

ホジキンリンパ腫については、血液がんの中でも多いほうではありませんが、年内承認できる見込みとなりました。


オプジーボについては、現在日本で、胃がん、食道がん、小細胞肺がん、肝細胞がん、膠芽腫、尿路上皮がん、卵巣がん、悪性胸膜中皮腫、胆道がんなどを対象とした臨床試験を行っています。
また、海外では、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が、膠芽腫、小細胞肺がん、尿路上皮
がん、肝細胞がん、食道がん、大腸がん、固形がん(トリプルネガティブ乳がん、胃がん、膵がん)、血液がんなどのがん腫を対象とし、オプジーボ単剤療法または他の治療薬との併用療法による臨床試験を実施しています。


肺がんの臨床試験では有効な結果が出ないものもありましたが、臨床試験を行う以上、ある程度の見込みがあると思われますから、これからも承認されるものが出てくると想像できます。

有効であれば、難治性の高い膵がんやトリプルネガティブ乳がん患者にとって待ち望んでいた新薬でもあります。

一方、肺がんの治療では3500万円もかかる薬剤でもあります。

もともと、メラノーマといった罹患の少ないがんの治療薬として承認されたことから、ある程度、高額なのは仕方がないといった考え方がありましたが、肺がんに適用されるとなると対象者が一気に拡大することから、保険制度の根幹にかかわるといった問題も出てきました。

利益を求める企業ですから、メラノーマだけではなくある程度の範囲を想定していたと思いますが、あまりの利益率の高さと高額医療費に保険制度が薬価に待ったをかける構図となっています。

そのため、現在、オプジーボが有効な治療となるかどうかを判定する試験を開発していたりします。

あらかじめ小野薬品も考えておけば良かったのですが、後手後手の感は否めません。


ただ、世界的にも画期的な薬剤である以上、それ相応の利益を求めるのは仕方がないとも考えられます。

そうではないと日本で開発するメリットが限りなく少なくなってしまいますからね。


おかげで、ここ最近の小野薬品工業の株価は上下の激しいものとなっています。


高いのが悪といった一方的なものではなく、企業の価値、先進性への対価など、将来を見据えたうまいさばきを期待したところです。

がんは治せる病気になるか?2016年08月20日 14:28

18日のニュースで、米国立衛生研究所(NIH)が、がん細胞を免疫の攻撃から守っている仕組みを壊し、がんを治す動物実験に成功したと報道されました。

実験は、小林久隆・米国立衛生研究所(NIH)主任研究員らの研究チームが行ったもので、17日付の米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシンに発表したもの。


以下がいい加減な概要になります。

がんは、がんの周りに「制御性T細胞」という細胞が集まり、本来、身体に備わり異物を攻撃する免疫細胞の活動にブレーキをかけて守っている。

このブレーキさせる制御性T細胞に結びつく性質を持つ「抗体」に、特定の波長の近赤外光を当て化学反応を起こさせ
制御性T細胞を大幅に減らすことで、ブレーキが外れ本来の免疫力でがんを攻撃するとのこと。

実験では、肺がん、大腸がん、甲状腺がんをそれぞれ発症させた70匹のマウスに注射し、体外から近赤外光を当てた結果、約1日で全てのマウスでがんが消えたとのこと。



この治療が、一般的ながんと少し異なる、血液がん、脳腫瘍、肉腫などに効くのかは現段階では分かりません。
また、再発、2回目、3回目にも同じ治療ができるかなどは分かりませんが、多くのがんに効果がありそうです。

報道では、「全身のがんを容易に治療できる可能性がある。3年程度で治験(臨床試験)を始めたい」とのコメントがあることから、今後が楽しみです。


近い将来、がんはほぼ治せる病気の一つになるのかもしれません。

特に、1回で完治できれば薬価代も大幅に減らせるので、日本の保険制度にとっても朗報です。

ぜひ日本での治験も早く始めてほしいものです。

嬉しいのでポチッとクリックを。

にほんブログ村 自転車ブログ 自転車生活へ にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ にほんブログ村 オヤジ日記ブログへ